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情報提供:新建新聞社

家の話・今と昔

■快適すぎる住まいは虚弱体質のもと、厳しさに負けないたくましい子に
 高気密・高断熱な造りの「夏涼しく冬暖かい快適な部屋」は、自然とそこに人が集まってきます。
 ただし、それが高じて、快適すぎる環境や、雑菌のいない清潔すぎる家に暮らしていると環境や気候の変化についていけない、ちょっとした、雑菌で病気にかかってしまう虚弱体質の人間になってしまう恐れもあります。

 日本体育大学の正木健夫教授や、南多摩病院の村田高明医院長によると、1930年代には、体温36℃以下の恒常性低体温児童は男子3.64%、女子4.64%だったのに対し1991〜2年の調査では、男子10.6%、女子14.1%に急増したとのこと。 中学生の1日の体温も、朝35.5℃が昼は、37.4℃と大きく変化して安定せず、体内で熱を作ったり放出する力が弱まっているそうです。その結果、昔の人なら何でもなかった弱いウィルスでも感染しやすくなり、さらにキレる、登校拒否などの子供が増えた一因ともいわれています。

 暑い屋外と冷えすぎた屋内を往復していると、自律神経失調症の原因となります。 健康面を考えれば窓を閉め切って人工的な快適さだけを求めるのではなく、夏は少しくらい暑くてもクーラーを入れず、冬は少しくらい寒くても暖房せずに抵抗力をつけることが必要かもしれません。 普段からの暮らし方にも留意し、時には窓を開けて自然の風や太陽の光をたっぷり取り入れ、自然の恵みを生かせる住宅が必要になってくるでしょう。

 また、冷暖房で快適すぎる部屋にいると屋外に出なくなってしまう傾向があります。 ゲーム機、パソコンの普及で一層そうした傾向が強まりました。 冬は家族や友達とスキーなど、屋外に出て体を動かし、夏は海や川や山にでかける習慣をつけるようにしましょう。

■昔は囲炉裏端でワイワイ、自然と覚えた生きる知恵
 昔は、囲炉裏の周りや茶の間がふれあいの場でした。 みんなで食事をしてお茶を飲み、ほめられたり、ケンカをして叱られたり慰め合いながら、家族の絆や理解を深めたものです。 子供たちは、両親や兄弟・祖父母・周りの人々の愛情を、無意識の中で自然と肌に刻み込んできました。 時には、子供が勉強している隣で、家族や近所の人や親戚が集まり、ワイワイと騒ぐこともあったでしょう。 自分たちを可愛がり、かばったり叱ってくれた祖父母や近所のおばさんなど、身近な人間の死から人の死の悲しみや尊厳を覚えていったりもしたのです。

 ところが、欧米式の生活様式が入ってくるにつれて、プライバシーのみが重視されるようになりました。 『個室化』という家の造り方の変化により、いつのまにか家族の対話、相互理解、助け合いが置き去りにされ、両親と子供たちとの断絶がおきてしまったのです。

 父親は毎日帰りが遅く、子供は自分の部屋に引きこもりがちで家族の会話はほとんどなし。 「狭い家で、皆でワイワイガヤガヤ肩寄せあって過ごしていた昔の方が家族の仲はよく、絆も強かったのに」という反省が生まれ、最近は家造りでも『家族の団らんや相互理解と思いやり』を重視する家庭が増えてきました。

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