新潟の長岡市に行った際、山本五十六氏の生家を見学しました。長岡空襲の際に焼失しているので、生家といっても戦後に復元された家なのですが、間取りや造り自体は忠実に復元されているようで、100年以上前の日本の住宅を知る上で非常に参考になりました。
いろいろと興味深かったのですが、中でも驚いたのは天井や鴨居の低さです。手を伸ばすと天井に触れるほどで、たった100年程で日本人の身長が変わったことをつくづく感じました。(ただ、特に身長が低かったのは江戸〜明治時代くらいの間で、弥生時代などは身長は高かったという、「へぇ〜」な話を聞きましたが)
また、天井の低さは身長だけではなく、ここは床に座る空間であるということにも気付きます。椅子に座る生活スタイルが一切ないということです。窓の位置も床に座ったときの視線に合わせてあり、立っていると落ち着かない空間が、床に座ると落ち着き和みました。床に座った視線と言えば、小津安二郎監督は映画の中で、ローアングルをよく用いていましたね。空間のあり方が見事に表現されていたことを思い出します。
古民家や町屋で暮らすことに憧れ、住み移る若い人達も増えています。日本に西洋の文化が入ってきてから、住宅も生活スタイルも洋風化していましたが、ここ数年デザイン的にも実質的にも、日本の良さを見直す傾向が高まっています。リフォームも、いかにセンスよく快適な「和」を取り入れていくかが、ポイントになるのではないでしょうか。